欅坂46の3rdシングル「二人セゾン」のミュージックビデオ(MV)が11月16日に公開された。
正直こんなに心にグッと来るとは思っておらず、想像以上に良曲だったので感想を綴ってみたい。
まずは先入観抜きに聴いてみてほしい。
歌詞の意味
曲名の「二人セゾン」。セゾンはフランス語で「季節」という意味なので、「二人の季節」と直訳できる。
一緒に過ごした“思い出”を、時と共に過ぎ去っていく“季節”にかけることで、別れの哀愁を表現している。
歌詞の内容的には「恋愛」がテーマであり、片思いをしている僕視点で、過去(君との思い出)から未来(これからの自分)までを綴っている。
メロディーがとてもキレイで聴いていて心が澄んでくる曲。欅坂46の透き通った歌声ともよくマッチしていると思う。
泣ける理由
普段は恋愛をテーマにした曲で泣くことはないのだが、この曲は表面的に恋愛をうたっているだけで根本的には「別れ」の曲である。
「君」は特定の個人である必要はなく、クラスメイトでも同僚でも友達でもなんでも良い。直近に別れを控えているなら、その対象を当てはめて聴いてみると良い。
そうすると冒頭の歌詞からグッと引き込まれる。
二人セゾン
春夏で恋をして 秋冬で去っていく
一緒に過ごした季節よ 後悔はしていないか
引用:二人セゾン(欅坂46)
「春夏」が最も充実していた時期(過去)、「秋冬」が別れを控えて物悲しい時期(今)で、過去を振り返った時に後悔はないか?という言葉を突き付けてくる。
私の場合、後悔とは違うのだが、近いうちに訪れる別れに物惜しさのようなものを感じており、この歌詞がとても心に刺さった。
曲の展開も良い具合に過去をフラッシュバックさせる構成になっていて、思うところがある人は何とも言えない気持ちになるだろう。
別れの哀愁を感じさせると同時に、後悔を残さぬよう今を精一杯過ごすこと、別れの先にもまた明るい未来が待っていることが暗示されていて、とても希望の持てる曲。そこが聴いていて心地よい理由なのだろう。
MVを初めて見た時にメンバーが笑っていたのがとても印象的で、これも上記のように感じた一因かもしれない。
聴けば聴くほど、過去の思い出で気持ちが溢れてくる、そんな曲。
ポジションの変更
今回メンバーの立ち位置に大きな変化があり、1st、2ndシングルでは後列だったメンバーが前列にきている。
前列メンバーがちゃんと映るか不安だったが、想像以上にしっかり映っていてなかなか良いMVだと感じた。
特に目を引いたのが「齋藤冬優花」
今までそれほど注目していなかったのだが、思わず「美しい…」と思ってしまった。この妖艶さは簡単に表現できるものではないし、もしかすると今後人気に火が付くかもしれない。
今回のMVでは、今まで後列に甘んじてきたメンバーの魅力が十分に引き出されており、人気メンバーしか知らなった人にとっては新鮮な作品となっている。他のメンバーの魅力を知ることで、よりそのグループや楽曲を好きになっていくと思うので、「二人セゾン」は本当に良い作品だと感じた。
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